2025・令和7年 暦だよりの冒頭 24の小話
1/小寒 おもしろ日本研究会
新しい年が明けました。本年もどうぞよろしくお願いします。
今年からちょっと面白いことを考えました。長年日本を支えてきた70歳を過ぎた男性の方々。リタイアした方も多い中、第二の人生、いえ現役の方もいらっしゃると思います。題して「おもしろ日本研究会」にっぽんのおじいさんたちの今の暮らしの研究です(笑)
2/大寒 祇園の朝
このところ三味線を手にする機会が増え、糸巻きが上手く締まらない。それで芸者さんだけが気が付く三味線の箱に入れて修理に祇園へ。店の主人が代わりの糸巻きと付け替えるのに1時間ほどあればと。10時前の通りは、シャッターを開ける人、看板を出す人、店の前を履く人、卸の軽トラックなど、夜とは違ったキビキビとした花街の風景もいいですね^_^
3/立春 江戸の粋
東京の従姉妹から「今日お休みでさっきお昼に入った定食屋さん(美松)に桃ちゃんの『江戸の粋』が置いてありました。ご主人が本屋さんで買われたそうです。いい本ですね、との感想を頂きました。周りの職人の方も結構買われているそうですよ」と。2007年出版の本人も忘れている本が知らないところで読まれているとは、嬉しいですね^_^
4/雨水 一緒に遊ベる埴輪
先日、取材で大阪の今城塚古墳に。ずらっと並んだ埴輪の一部は触れることもできます。写真を撮っていたら、幼稚園児たちが先生に連れられて入ってきて、埴輪の馬や水鳥に乗ってわあわあ言っているんです。昨年国立博物館で見た埴輪は国宝クラス。当時も大量生産されたといはえ、片やばっちりガードされ、こちらは一緒に遊ベる埴輪とはいいですね^_^
5/啓蟄 地上に着くとほっとする
お陰様で「おじいさんたちの暮らし」はかなり広がりました。先日、バスを降りたおじいさん、ヨロヨロとバスに寄りかかり、慌てた運転手さん「大丈夫ですか」を連呼。昨日もバスを降りたおじいさんがその場で動かず。後に続く私や他の数人が降りられない「ど・い・て!!」おじいさん、地上に着くとほっとするのでしょうか(笑)
6/春分 日本語学習者が1000万人
3月末に引っ越してまる10年。京都は日本文化の宝庫で、お陰様でこの間50冊の本を出版。少しは一段落かと思いきや、今や世界で日本語学習者が1000万人とは! 生きる、生まれる、生活など、同じ漢字がいく通りにも読み替える難解な日本語に頭を抱える学習者たち。この人たちのためにもルビ付きの電子書籍を作り続けたいと思います^_^
7/晴明 京都のおもてなし
昨夜は栃木からの夫婦と祇園の老舗Barに。ところが今は都踊りの真只中でBarのカウンターは満席。ならば隣へと、勝手知ったる戸を開けて「お母さ~ん、4人です」と呼べば、90歳に近いお母さんが笑顔で迎え入れ、お酒はもちろんのこと、食べきれないおつまみはお土産に。Taxiが立ち去るまでお見送りで、なるほどこれが京都のおもてなしですね^_^
8/穀雨 長~い三角定規
伏見の南にある藤森神社は平安期前よりの古社。ここの元拝殿で由緒を聞いていると、前の参道を祭囃子の一団が行ったり来たり。先頭の音頭取りは高齢者。それに続く中高生の笛吹、さらに小学生の、それも最後は小さな子たち。5月の祭本番に向けての練習だ。代々受け継がれていく祭は地域維持のいい仕組み。その祭囃子の形は長~い三角定規のようだ^_^
9/立夏 清少納言が登った道
先月、健脚の年上女性と稲荷山登山。清少納言が登った道を辿ってみたが、これがなかなかの急坂。この時代は本殿が山頂で、途中まで牛車で行ったのか? 世界最古の(牛車)駐車場が千年前と同じ場所に。この道は滅多に人に会わない古代の道、下山はインバウンドの観光客に揉まれながらの現代の道でした^_^